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世界史から学ぶ『戦略』

こんにちは、
今回は、世界史から学ぶ『戦略』に関して整理したいと思います。

大国や大企業の命運をかけた決断から、個人の日常生活におけるさまざまな行動にかかわる意思決定まで。誰もが、あらゆる組織が『戦略』を必要としています。それは、いつから人間の世界に登場し、どのように用いられ、変容してきたのか、を整理します。

 

主に、第一次世界大戦~現代までの『戦略』の遷移です。

第一次世界大戦末期から1920年代にかけての『戦略』


第一次世界大戦では、航空機や戦車、また毒ガスといった、従来の戦争の在り方を一変するような技術革新が生まれました。そうした環境下で、、前衛的な思想を持つ軍人が、将来の戦争において、勝利のために必要な戦略を考えました。

ここでは、3人を紹介します。
まずは、アメリカ合衆国陸軍軍人である、ナップゴレル。
彼は、戦略継続のために依存する一連の産業拠点を目標とし、ターゲットから次のターゲットへ体系的に攻撃するという「戦略的爆撃」を提唱しました。
こちらを現代に適用させますと、「クリティカルパス対処型」のアプローチだといえます。

次に、イタリア王国陸軍軍人であるジュリオ・ドゥーエ。
かれは、空爆による破壊行為にて「物的・精神的・心理的」ダメージを与え、交戦国の政府が戦争を継続するという意思を失わせることを戦略としました。つまり、「制空権」を取りにいくということですね。
こちらは、現代に適用させると、「ボトムアップ&仲間集め型」アプローチと言えます。小さな結果を積み上げていき、大多数の社員の意識を変えることより、最終的な大きな目標に繋げていくということです。

次に、ジョン・フレデリック・チャールズ・フラーという大英帝国陸軍軍人。
彼は、交戦国の軍隊を身体にたとえ、頭脳の役割を担う『司令部』を対象に、戦車部隊で集中的に攻撃し、相手方を屈服させるという『戦略』を考えました。
これは、現代に適用すると、トップダウン意思決定型アプローチと言えます。
司令部に意思決定力があり、指揮系統が正しく機能している場合には有効です。しかし、現場の権限が強く、ボトムアップ型で希望している組織には有効とは言えませんね。

以上のように、第一次世界大戦末期~1920年代にかけて、様々な戦略家が自身の戦略を提唱しました。

 

1920年代~第二次世界大戦にかけての『戦略』

先に概要を説明しますと、二人の間接的アプローチを提案した人がいました。
1人は、ベイジル・リデル=ハート。彼は、20世紀という時代を象徴する戦略思想家と称されています。孫氏やクラウゼヴィッツ、先ほど出てきたフラーなどに影響されています。
彼の戦略は主に三つの点で、一つは、戦わずして勝つ。最小抵抗線に乗ずる。次に、複数の選択肢をもち、相手の出方を計算に入れた戦略を作る。そして、間接的アプローチは理想手段だが、同等以上の戦力・戦術知を持つ相手には、直接アプローチも必要。
そして、同じ時代に間接的アプローチを推奨したもう一人が、イギリスのウィンストン・チャーチルです。彼の戦略は、同調による勝利、です。そして、同調には、主戦闘での勝利や強国の参戦など、自国有利なイベント発生が前提となる、としました。

では、本題の前に、剣豪や武道において、「戦わずして勝つ」というエピソードは多いです。

一つご紹介しますと、剣聖 塚原卜伝の「無手勝流」エピソード。

琵琶湖の船中で若い剣士と乗り合いになった卜伝は相手から決闘を挑まれましたが、のらりくらりとかわそうとします。この態度を「臆病風に吹かれて決闘から逃げるつもりだ」と受け取った剣士は、調子にのって卜伝を罵倒し始めました。
このままでは周囲に迷惑がかかってしまうと考えた卜伝は、船を下りて決闘を受ける旨を告げ、相手の剣士と二人で小舟に移動します。そして、近くの小島に船を寄せることになったのです。
足が立つくらいの水深になると、若い剣士はさっそく船を飛び下り島に急ぎました。しかし卜伝は島に入ることなく、それどころか船をこいで島から離れてしまいます。
島に取り残されたことに気付いた剣士は卜伝を罵倒しましたが、卜伝は高笑いしながら「戦わずして勝つ、これが無手勝流だ」と言い残し、去っていったのです。

 

核兵器の登場以降の『戦略』

ここで、J・ロバート・オッペンハイマーの有名な言葉でを引用します。

たとえて言えば、瓶の中の二匹のサソリだ。

それぞれ相手を殺す力をもつが、
そのためには自らも生命の危険を冒さなければならない。

これは核兵器を国が持つようになった世界の状況を示しております。

核兵器を国が保有するようになり、その途方もなく大きな破壊力を持つことから、リスクとなり、戦争に勝つという軍部の目的が、「戦争を回避する」という目的に変容しました。

その状況下で、戦略的な人間が台頭しました。
各時代の到来により、判断ミスが破壊的な結果をもたらす可能性が生じました。
そして、戦略的問題の解決は、人物や直感ではなく思考力と分析にかかるようになりました。

また、前例や実験をすることもなく、核戦争の可能性に関しては、シミュレーションすることしか出来ず、経験は、鋭く整然とした思考力よりも役に立たなかったのです。
つまり、軍部が今まで偉そうに戦略を語っていて、研究科は経験していないからと馬鹿にされていたが、核兵器の出現でその状況が一変しました。

そこで頭角を現したのが、人類史上最もIQが高いといわれるジョン・フォイ・ノイマンです。
彼は「悪魔の頭脳」と言われ、「ゲーム理論」を生み出しました。
ゲーム理論路は、複数の合理的意思決定主体の利得がそれぞれの戦略の相互依存関係によって定まるという、ゲーム的状況を分析する数理的手法です。
そこで導き出したのは、戦略的な行動は、自分には制御できない他者が起こしそうな行動をどう予測するかに依拠するということ。そして、制限された状況においては、利得を最大化するためではなく、最適な結果を受け入れるために合理的な戦略が試みられること、です。

では、ここで、論理的と合理的の意味の違いを確認しましょう。

論理的・・・途中の理路さえ合っていれば、基本的にすべて「論理的」と言える
だから、同じ出発点から、異なった「理論」はいくつも作れる

合理的・・・いくつもある「論理的」な理路のうち、理(価値観)に合ったものをベストとする

つまり、
核兵器の下では、あまりに高いリスクをはらん衝突は自分にとって好ましくないから、避けようとする、そして全体としての合理性がとれない状況下で、自分にとって最適な結果を受け入れるために合理的な戦略を策定することが試みられるのです。

そして最後に、
全体のまとめとして、
戦略とは、「持続的な勝ちの状況」を作ること、と定義します。
なので、必ず「相手」がいることが前提となってきます。

歴史的にも、対比構造は作られてきており、対比があることで違いが生まれています。
そして、対比があることで競争がうまれます。そして、競争があることで成長が生まれます。

恐れずに、競争していきましょう。